【新居検討1】
出産後、どうしよう?
双子が発覚してから、色々と考えた。
当時住んでいたところは、会社から近く、
回りも色々な店があって、本当に便利だ。
でも、ここは自分が一生暮らす街ではないなと、
ずっと思っていた。
海や山が、ない。森もないし、虫取りもできない。
故郷というにはあまりに近いけど(電車で1時間)、
やはり子供を育てるならば、自分が小さい頃住んでいた
あのあたりで育てたい。
そんなことを思いながら、賃貸マンションを探しはじめた。
自分が住みたいところイコール、お互いの実家の近く、ということになる。
私の実家は別のところへ引っ越してしまったので、妻の実家の方が
圧倒的に近くなる。
妻の母親は、物件オタクだ。
既に持ち家に住んでいるくせに、いろいろと見て回るのが好きらしい。
双子妊娠の件もこの頃には告げていた。
相談がてら実家に行くと、早速何件か賃貸マンションを紹介してくれた。
そんな中、突然、
「どうせ一戸建て派ならもう買っちゃえば?」
そう、私は実家が一戸建てだったせいか、私は将来、
自分で家を建てたいと思っていた。
早速見に行きましょう。
強引の母親は、不動産屋に電話した。
実家から車で5分程度。
公園のとなりに建っていたその家は、
築15年にしてはまぁ綺麗な方か。
庭はかなり狭い。
土地は、旗地だ。
中に入ると・・・結構格好いいつくりだ。
内装リフォーム済み。
前に住んでいた人は、不動産会社を経営していたらしく、
本当におしゃれな感じの注文住宅だ。
でも、やはりあちらこちら気になる。
雨戸は開閉しずらい。
風呂場のドアは閉まらない。
エアコンはでかいし古いし、多分効かないだろう。
私は一戸建て派だったが、新築派でもあったのだ・・・
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【新居検討2】
その家を見に行ったのは、土曜日だった。
内装も綺麗でおしゃれだし、買わない理由は、存在しない。
もうその場で買っちゃえ! みたいな雰囲気が!
おいちょっと待てよ、こんな大事なこと決めれるか!
びっくりしたよ。
ということで、その日は逃げた。日曜日に現地にて結論をだすことにした。
買う時って、そんなもんよ。
あんないい物件ないわよ!
家も近いし、これなら共働きも大丈夫!
母親の猛烈なプッシュが・・・
妻に意見を求めると、
あたしは中古でも構わない。
もう面倒だし。
一緒に住むわけじゃないし、今、実家を利用するだけしない?
家が古くていやなら将来立て直せばいいんだし。
と、四面楚歌。
古いぞ?
旗地だぞ?
自転車置き場がないぞ?
あちこちのドア、閉まりにくいぞ?
塗装とかすぐ必要になって、結局高い買い物になるぞ?
庭狭いぞ?
水周り汚いぞ?
色々と意見交換するも、「イヤならやめれば?」みたいな雰囲気。
だいたいこんな簡単に決めちゃっていいのか?
普通もっと色々と雑誌買って検討して、比較して、
それで決めるもんだろう?
一家の大黒柱が、他人の見つけてきた物件で、
あっさりと決めちゃっていいのか?
とりあえず一晩、考えることにした。
妻に負担をかける訳にも行かないので、
自分一人で考えた。
次の日。全然考えがまとまらないまま現地へ。
家の中を見回すも、古いことをのぞけば、まぁいい物件だ。それは確かだ。
あまり意固地になってもしょうがないのかもしれないけど。
でも一生に一度のでかい買い物。
普通、ゆっくりと色々と調べることが、楽しいんだろう。
それが、たったの2日で決まることがどうしても納得できなかった。
ここでつっぱねれば、多分、自分的には後悔しないだろう。
でも今後どうする?
すっかり持ち家ムードなのに、またもや賃貸探しに戻るのも
妻のストレスになるのでは?
さあ、どうするどうする???
リビングで実家の両親、妻、不動産屋に囲まれ、皆私の返事を待った。
「買います。」
と言った。気分的には敗北感でいっぱいだった。
一番楽しいはずの、夢を見る時が、たった2日で終了してしまったのだ。
屈辱感にまみれたまま、その後不動産屋から住宅ローンの説明を受け、
実家からの祝いの食事を拒否し、帰宅した。
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【新居決定】
手付金を支払ったが、 それさえ放棄すれば、 まだ家を買わなくても済む。
半分本気で考えつつ、会社で相談。 皆同情してくれた。
男は出産だけでもプレッシャーなのに、双子、かつ、住宅を同時に購入!
この時期、気が狂いそうだった。
夜も悔しくてずっと考えていたし、 会社では仕事が手につかなくなっていた。
見るに見かねた妻が、
「やめてもいいよ。あんたの判断に従うよ。」
と言ってくれた。
その一言で、何故か救われた気がした。
このあたりから双子出産に加え、住宅購入に関しても 開き直り始めた。
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【切迫流産による入院】
18週目の時。
病院に一人で行っている妻から、
携帯電話に連絡が入った。
今、この場で入院することになった。
なにー!?
会社をはや引きし、病院に向かう。
かなり下まで降りてきたから管理入院することになった。
いつ退院できるかわからない・・・
・・・あと何ヶ月あんねん!?
この頃にはちょっとやそっとの出来事では参らなくなっていたが、
またかい・・・
それから毎日病院まで
洗濯物やら差し入れやらを届ける生活が
始まった。
週に1,2回は、妻の実家の母親が来てくれたので助かった。
住宅ローンの手続きやら
引越しの手続きやら、
その他もろもろの雑用を全部一人でこなさなくてはならない。
結構体力的に大変な時期だった。
偶然、仕事がそれほど忙しくなかったのが
救いだった。
実はこの頃、ちょっとした楽しみもあった。
妻が病院に拘束されているため・・・
そう、私は、独身貴族に戻ったのだった!
毎晩病院に行き、20時までは妻と過ごすが、
それが過ぎると私のフリータイムだ。
結婚してからはやめていたパチンコをしたり、
足が遠ざかっていた飲み屋にも顔を出せるようになった。
妻には悪いが、最近いろいろあったストレスを解消させていただいたのだった。
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【引越し業者選定】
21週目の時、週末を利用して、引越し業者の選定を行った。
2DKの間取りで、荷物はかなり多い。
となると、通常10万円以上かかる。
が、ネット検索した結果、引越しピーク時期(3月)をはずし、
土日さえはずせば、7,8万円も可能なことがわかった。
ただ、あまり小さな業者は、たまにトラブルが発生するらしいので、
値引きが可能そうで、しかもしっかりしていそうな、
サカイと蟻さんの2業者に絞った。
まず、引越し一斉見積もりサイトを利用し、十数社の見積もりをとった。
ピンキリだった。数万〜十数万の間だった。
それを1枚の紙にまとめ、まずはサカイに見積もりに来ていただいた。
サカイは有名どころの中ではとにかく安いという評判。
ただ見積もりに来てもらった時は、お帰りいただくのが大変との評判。
あまり深く考えず、最初に呼び出した。
最初に13万円と提示してきた。
そりゃ高すぎるでしょ。ほら。
と、見積もり一覧を出したところ、噴出しながら
「そんな小さな業者と一緒にしないでください」
と一蹴されそうになったが、
「じゃ、これで」
と、10万円に下げてきた。
だめもとで、「7万円にならないですか?」
と聞いたところ、うーん、と悩んだ末、即決してくれたらOK、との返事。
どうしてももう一社見積もりさせたいので、今日中の返事、ということで、
7万円+消費税の保留に成功! しかも、わりとスンナリ帰ってくれた。
その1時間後、蟻さんが見積もりに来た。
ここは有名どころの中ではもっとも丁寧な引越しと言う評判。
来てくれた人は、1ヶ月前まで現場の人間だったらしく、
あまり営業には慣れていなそうだった。
こちらから直球で、サカイさんより安ければ、即決する旨を告げると、
その場で本部に電話し、なんと税込み7万円でよいとのこと!
なんか、運が良かったみたいだ。
なんだかんだで、7万円ぽっきり、ダンボール、梱包材等無料。
しかも、当日の引越しは、丁寧で完璧でした。引越し作業員の方に、
「7万とはえらい値切りましたね!すごいですね!」と言われた(笑)
多分、サカイを選んでいても、問題なかったんだと思う。
満足の行く引越し業者選定でした。
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【入院生活】
私は仕事したり、妻に届け物したり、
ローンの申し込みや引越しの準備したりと、
忙しくはあったが、妻は双子をお腹の中で
育てるという、もっと大変な生活を送っていた。
入院は結局6週間だった(18週〜23週)。
詳しい記録は残っていないのだが、
5週間は点滴が刺さりっぱなしだった。
ウテメリンの2Aと1Aを行ったり来たり。
量も増やしたり減らしたりしていた。
確か6人部屋だか8人部屋だったと思うが、
残念ながらこの期間、妊婦とは2,3人としか同室には
ならなかったようだ。とにかく寝る毎日だったらしい。
退院してからは、実家に戻った。
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【転院届け】
退院後、まもなく実家の近くに引越しするんだから、
病院も変わろう、ということになった。
実家と新居の近くの総合病院に転院した。
前の病院は正直おんぼろだった。
地域では有名だったけど。
木造校舎みたいだった。
今度の病院は綺麗で、妻もご機嫌だった。
結婚当初から住んでいた懐かしのマンションは
引き払った。
ダンボール詰めを一人でやるのは
やはりきつかった・・・
思い出の場所を、一人きりで去るのは
ちょっとさみしかった。。。
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【引越し、転院、産休開始】
24〜27週目は、大忙しだった。
引越しした。
実際に転院した。
正式に産休が開始された。
この頃の父ちゃんは、正直仕事どころではなかった(笑)。
実際、本当に偶然だが、仕事はかなり少なかった。
助かった・・・
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【またまた転院】
転院して最初の検査の時。28週目くらい。
どうも双子の小さい方の成長が
芳しくないとのこと・・・
いざと言う時、この病院では緊急に取り出すことができないので、
あらゆる意味で転院したほうが・・・
と言われた。
車で高速道路を使って30分くらいかかる、
ちょっと遠い、こども専門の病院への転院となった・・・
さすがにこの時はびびった。
そして、その病院で、またもや入院しろとのこと・・・
毎晩早めに帰宅し、車で病院まで通う日々は、
結構大変だった。。。
その病院は、問題のある子供または妊婦専門の病院。
そのため、病室の他の3人は、全て双子だった。
ここで初めて妻は双子ママ友達を作った。
いまだに年に3,4回は、集まって飲んでいるようだ。
その病院では特に治療といった治療は無く、とにかく安静に
し、毎日かなりの検査があったらしい。
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【最後の転院】
2週間ちょっと入院した、30週の時。
先生が話があるから、午前中に病院に来てくれって。
妻に聞かされた。呼び出されるってことは、それなりにやばいのか・・・
(どうして病院の先生は土日とか夜間にそういう話を
しれくれないんだろう・・・)
恐る恐る病院へ行き、話を聞く。
胎盤から出ているへその緒の位置が、端っこの方で
栄養が届きにくい。だから一人の方は
成長が遅い。けど、遅いだけであって、
今のところ特に問題はない。
あまりいい状況ではないんだけど、どこの病院にいても
同じだから、前の病院に戻っていいですよ。
ほおおおお。
よかった・・・
双子の体重の格差はどんどん広がるけど、
それもしょうがない。とにかくなるべく長い間、
お腹にいさせてあげるしかないらしい。
体重は、2100と1300。
33週目で最後の転院。
実家の近くへようやく戻ったのだった。 |